オリンポスのステージに、妖精も踊子も時を忘れて集まった。映画やキャラクター物の場合、わがスノモンが愛する基準は、豪華さとか見た目の精巧さとかよりも、その作品への目の付けどころだったりするんです。だからこそ、ミッキーだけでないこのファンタジア・コレクション。
「魔法使いの弟子」ともうひとつ、ファンタジアの1本を選ぶとしたら? まさにファンタジアな「くるみ割り人形」? 静と動の「禿山の一夜/アヴェ・マリア」? お気に入りは人それぞれ。そんなとき、(私を忘れないでね)とそっと控え目(?)ながら魅惑のポーズで迫るのが、真ん中でアラベスクの可憐なプリマ。(その名はミス・ヒヤシンス・ヒッポとか!)あの、カバ・ダチョウ・アリゲーターのバレエ団の花形です。
ファンタジアには、今でも再現が難しいアニメーションの技術が沢山あるのだとか。それに寄せる感嘆の声も尽きません。でも、かつての至難のワザもCGで出来るようになって来た今、あらためてこのスラップスティック・バレエ一幕を見ると、動く楽しさを盛り込む人間がいてこそアニメーションが至福の時間を刻むんだって思えて来ます。ディズニーの、というよりアメリカのお家芸と言ってしまえばそれまでだけど、だからこそ実際にはマネの出来ないアニメーションのエッセンスでいっぱい。ドタバタの大行進だけど優雅、カートゥーン・ワールドだけどシンプル、その上なんだかシュール。時間も重力も超越しちゃうアニメーションの真髄。かの手塚治虫も、仕事場ではよくこのポンキエッリの「時の踊り」のレコードをかけていたとか。巨体の踊子が、どうです、って誇らし気に見えませんか。
そのウワサのバレリーナが、オルゴールに合わせて回転します!そりゃあもう感涙モノ。日本では何となく地味な彼女に脚光が当たっているから、もうそれだけで大ヒットのスノーグローブ。屋根の上で祝福のファンファーレを吹いているのは「田園」のキューピットたち。この可愛いさもかなりのもの! ギリシャ神話チームから他にはゼウスやペガサス、それにユニコーンの子がミニグローブで欠伸をしています。「くるみ割り人形」からは、後のティンカー・ベルの原形とも言えるしずくの精がミニグローブの水玉の中に。さらに、これも最高に嬉しい贈り物、大傑作「中国のおどり」のマッシュルームたちが三体、それぞれミニグローブのバブルに並んでくれています。ね、なかなかのものでしょう? 心苦しくも高価になってしまったのも許してもらえるでしょうか。わざわざイギリスから取り寄せるについて、相当の送料がかかっているのです。(なにしろ、かなりヘビーな踊子を乗せているもので!) でも惚れてしまったから、我々も大プロデューサー・ディズニーの心意気に習って、冒険覚悟で大公開。数量が少ないので、わがままを言わせてもらえば、本当にファンタジアとアニメーションを愛する人が手にして欲しいな。
さあ、あとはマニアにとって、オスカー・フィッシンガーも関わったあの「トッカータとフーガ/ニ短調」かサウンドトラック君が作られる日が来ることぐらいか!
高さ28cm、オルゴール「The Sorcerer's
Apprentice」。UK・イギリス限定。